熊本県葦北郡芦北町田浦にある明治時代に建てられた大地主の邸宅

住 生きている文化財

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 客人をもてなすための空間

  藤崎家住宅「赤松館」は明治26年(1893年)、藤崎家5代目当主藤崎彌一郎により建造されましたが、「藤崎家の住宅」に留まらず、「来客をもてなす迎賓館」としての役目を兼ねそなえた設計がなされました。

日清戦争により中断した二階部分の内装

 しかし、赤松館が建造中だった翌明治27年(1894年)、日清戦争が勃発します。すでに完成していた一階部分は「藤崎家の住宅」として現在も使用されていますが、二階部分は内装を施していない状態で工事が中断。以来、二階は雨戸が閉められたままの状態で閉ざされ、本来の役目を果たさぬまま静かに百年以上の月日が経過します。

現代に蘇った赤松館(一般公開へ)

平成8年(1996年)、急激に消滅しつつある近世末期や近代以降の建造物を危惧して改正された文化財保護法により、新たな文化財登録制度が導入されました。この制度により平成12年(2000年)、「赤松館」は国登録有形文化財に登録されました。しばらくの準備期間を経た後、平成21年(2009年)一般公開を開始。

建造当時の「藤崎家の住宅」かつ「来客をもてなす迎賓館」としての役目が現代に蘇り今日に至っています。

「赤松館」で生まれ、現在も「赤松館」で暮らし続けている藤崎家七代目当主藤崎正彌氏は、この館を末永く存続させる事に苦心され、地域住民と共にNPOの「保存会」を立ち上げました。

「この文化遺産を後世に伝えていくことが私の使命です。」

生きている文化財(Living Heritage)

・・・人の営み・人の温もり・人の息吹が感じられる文化財・・・これが「赤松館」の魅力の根源です。

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